Happy Going
見た作品紹介や日々思ったことなどをつづった超不定期ブログ。時々小話(短い小説)も。管理者はオタクです、多分。

 

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【ポップン】 刃 【六、ジャック】

今日は六ジャクの日だ!
と騒いでた頃が懐かしくてなんか書いてみた。
バクホンの「刃」って曲聞いてたら無性に書きたくなったのもある(笑

ジャックに日本刀使わせたくなるのは自分だけじゃないはず(何
でもジャックって、あの服のままだと刀あんまり似合わないと思うのは私だけか。

 カラン、と地面に木刀が落ちる。
「刀はナイフとは違う。それぐらいの衝撃で落すな」
 喉元に木刀の切っ先を突きつけられジャックは動けなかった。
 これで四回目である。しかも六はまだ一度も木刀を両手で握っていない。全て片手で握られた木刀によって受け流され、薙ぎ払われ、叩き落された。
「もう一度構え直せ」
 木刀が下ろされる。即座に横に転がっている木刀を拾い、構え直した。
 構え、といっても六が毎朝素振りをしている時の構えや時代劇でみた構えを真似たもので、正当な構えではない。
 六が言うには刀にはその流派ごとの構え方があるのだそうだが、六自身も我流、つまりは六独自の構え方、刀の使い方をする。なので人に教えられるような構え方はしてない。
 だからか、やり易い様に構えろ、と言われしまった。ジャックは見よう見真似の構えしかできなかった。
 五、六歩ぐらいの距離を取って六を向き合うように構える。
 六はというと、ジャックがどう動くかを見るためなのか、無防備のような格好で立つ。
「来い」
 瞬時に六の懐に飛び込み切り払おうとするが、受け止められ、そのまま押し返される。
「刃の根元で斬ろうとするな!刃全体を意識しろ!」
 もう一度叩き込もうと踏み込む。風を切る音と共にジャックの姿が消えた。
 ガッと鈍い音。
 六の頭上で交わる木刀。
 折れてしまってもおかしくない衝撃だった。それでも六は片手で握ったままだった。
「上を狙う時は飛ぶなって何度言えば分かる」
 着地する寸前で右肩目掛けて六の木刀が振り下ろされる。受け止めようとジャックは木刀を水平に構えた。
 重い衝撃。思わず片膝を付く体勢になってしまった。
「こうなると、押し返さない限り――」
 横に思い切り薙ぎ払われた。木刀の勢いに乗せられるがまま、ジャックの体が吹っ飛ぶ。
「体勢を崩すのは膝を付いた方だ」
「っ……」
 起き上がろうとするが、すぐには起き上がれなかった。どうやら木刀の衝撃と吹っ飛ばされた力で腕と足が一時的に痺れてしまったようだ。
 六の視線がジャックの手元に行く。
 何度も衝撃を受け止めた木刀はボロボロになっていたが、ジャックはそれをしっかりと握っていた。
「……少し休憩にするぞ」


「でもまたなんで刀なんだ?」
 「お前には使いづらいだろ」、と麦茶の入った冷たいコップを差し出して六は言った。
 ジャックは――今はもうその活動はしていないが――暗殺者として生きてきた。それは六も一度(手違いで初対面の時にだが)一戦交えたことがあるので分かっている。
 武器がない時にその辺に転がっている鉄パイプを使ったことはあるそうだが、基本的に接近戦で用いるのはサバイバルナイフなどの片手で扱えるほどの重さで刃の短いものである。刀とは全く使い勝手が違う。
 それに今となっては誰かを殺す理由もないジャックが、新しく武器の使い方を覚える必要はないはずだ。
 ジャックは一気に麦茶を飲み干し、一息つく。
「……何か変えたくて」
「何を?」
「……分からない。でも、多分……自分を何かを」
「……そうか」
 六も隣に座って一息つく。
 ジャックは自分の手を見つめていた。木刀を落とし、落とされては再び握りなおし、六の重い一撃を受けてきた。そのせいで包帯を巻いていたにも関わらず、所々まめになるどころか皮が擦り切れ痛々しいことになっていた。
「ジャック」
「……ん?」
「俺は刀以外の武器は使ったことはない。だが、刀はナイフと違って刺す武器じゃない。その刃全てで“斬る”武器だ」
「……」
「武器の中で一番“人を斬った感覚の残る”武器だ。軽く見てる信念のない奴の刃は、どんな名刀を使っても鈍らだ。
 それを分かってるか?」
「分かってる。だから、教えてもらいたいんだ」
 はっきりと言い切った。出会ったばかりのジャックでは思いもしない真っ直ぐな目で。
 六の表情に笑みが浮かんだ。
「少し休んだら、少し出かけるか。古い木刀だからな。次にやったら折れちまう」
 ジャックは一度だけこくりと頷いた。

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