Happy Going
見た作品紹介や日々思ったことなどをつづった超不定期ブログ。時々小話(短い小説)も。管理者はオタクです、多分。

 

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【オリジ・習作】隊長の噂【機動隊っぽいもの】

またなんか書きたくなったので、なんとなく。
習作というか、なんというか、本当になんとなくです。
どっかの部隊(割と未来系)の人の会話。

「やっぱり付き合ってるのかな、あの二人」
 話を切り出してきたのはオペレーター。
「それはないだろう、どう考えても。そうだったとしたら尻に敷かれすぎだろ」
 そう言ったのは通称先輩と呼ばれる男。情報や通信、必要となればハッキングなどを行ってサポートをする役柄を担っている。
 二人が話しているのはこの部隊の隊長とその相棒(バディ)を勤める副隊長のことだ。
 この部隊の隊長は、機関の実働部隊の中では珍しい女性の隊長である。見た目は二十代なのか三十代なのか(他の部隊から聞く彼女の実歴を考えると確実に三十はいってるだろうが)分からない。妖艶というわけではないが、引き締まった筋肉を持ちながら女性特有の丸みを残した体躯をしており、隊服であるボディースーツが余計にその健康的かつ美しいボディーラインを強調している。通り過ぎれば何人もの男性隊員の目を惹きつけるほどだ。
 しかし見た目で騙されてはいけない。彼女は機関の中でも屈指の冷徹さと隊長格でも指折りの実力を持つ。そのことから中央付近の隊員たちには『鋼鉄の女王』と呼ばれる人だ。
「あんな豪傑女、誰も好きにならねぇよ」
 デスクに足を投げ出して座っている男が言った。
 彼は前の隊長に恩があってこの部隊に入ってきた。それ故に前隊長への敬意が強かったのと、今の隊長が女ということもあって信用しておらず、もう半年も経つというのに隊長とは衝突――と言っても彼が一方的に突っかかり、投げ倒されて返り討ちにあうだけだが――が絶えない。
「分かんないわよ。だって中央勤務だったのに、こんな辺境の地にまでついてきた人よ。相当の信用か何か強い感情がない限りは付いてこようなんて思わないわよ」
「これだから女って嫌なんだよ」
 そう吐き捨てられると、オペレーターは「いいじゃないの!ここって男性ばっかりで花がないんだもの!」と声を張り上げた。
「でも副隊長、あんな人だしな。確かに何もなしにはこんな所までついてこなさそうだ」
 軽く笑って言ったのは、また新人の空気が抜けきっていない男。今のところ彼が隊の中で一番隊長と副隊長と行動している。
 副隊長は見た目からして豪傑の名が相応しい厳つく大柄の男だ。睨んだだけでその辺のゴロツキを牽制出来るような顔をしており、隊員証がなければどこの暴力組織の人間かと疑われかねない。隊長とかなり年が離れているように見えるが、実のところ大差変わりないらしい。
 一目見ただけでは副隊長の方が隊長よりも二回りは大きく、強そうに見える。しかし、毎朝二人が組み手をしているのを目撃した人物の中で副隊長が勝っているのを目撃した人物はいない。
「あ、でも噂なんだけどよ」
 先輩がちょいちょいと皆を手招きした。
 皆が訝しそうに、しかし興味津々で(彼の情報は噂でもかなり信憑性のあるものだからだ)近寄ると、彼は小声でぼそっと呟いた。
「隊長がまだ新人隊員だった時に付き合ってた男がいたらしいぜ。しかも、“初”はその男に捧げたとかで」
「うっそぉ!?」
「マジで?」
「しかも、その男のせいで今の隊長の冷徹さと強さがあるんだとかで」
「その話マジだったら、その男ぶん殴りてぇ……!余計なことしやがって……!」
「いや、でも、それは……」
 信じられない話にざわざわとお互いの顔を見詰め合ってしまう。
 隊長は美人ではあるが、言い出しっぺであるオペレーターですらやはり色恋沙汰には無縁といった雰囲気を感じているからだ。
「お前ら、こそこそと何をしている」
 不意に凛と響く声に皆は思わず体を硬直させた。
 振り返れば、噂の当人が眉間にしわを寄せ、胸の前で腕を組んで仁王立ちしていたからだ。
「雑談している暇があるのなら、この間の未解決事件の情報でも洗い直したらどうだ」
 どうやら話は聞かれていなかったらしく、そう言っただけで隊長は部屋から出て行った。
 隊長のブーツの音が廊下から聞こえる間、沈黙が続いた。
 そして脅威がさると、皆長い監禁から解放されたかのようにうな垂れたのであった。

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