Happy Going
見た作品紹介や日々思ったことなどをつづった超不定期ブログ。時々小話(短い小説)も。管理者はオタクです、多分。

 

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【弐寺】酒と泪と…【ユズナイ】

久々にSSです。
なんか衝動的に書きたくなったので。
タイトルは某曲のタイトルの一部から。
なんかユーズの設定、微妙に勝手設定入ってる部分がありますが、お気になさらず(ぉぃ
ユズナイ大好きだーーー!!

 なんで私はこんなところに、こんな場違いな格好をしているのだろうか。
 すっごく煙草臭い。
 当たり前。隠れたお店らしくて店内は狭い。その上喫煙席しかない。
 すっごく油臭い。
 当たり前。鶏や揚げ物などの串焼きの店だもの。
 なのに、なのに私は久々にROOTS26以外で買った服、しかも露出の少ない清楚な感じのする白いワンピースを着て、大人しく座っている。
 出て行く時にアルアに「お姉ちゃんすっごく可愛い」って言われたのに。
 なんだか色々踏みにじられた気がしてイライラしてきた。
 そもそも、なんでこんな状況に置かれているかというと、原因は目の前の男だ。
「俺の奢りなんやし、遠慮せんでもええんやで」
 そう言ってこいつは本日三杯目のビールに手をつけ始めた。少しは空気を読んで欲しいものだ。

 事の発端は彼、ユーズがゲーセンで突然話しかけてきたことだ。
 デラをする直前だったし、また勝負でも挑まれるかと思ったのだけれど
「明日の夜、暇やったりせえへん? ええとこがあるんや」
と誘われてしまったのだ。
 かなり驚いた。この間の勝負の分はつい先日奢ってもらったばっかりだから尚更だ。私だけでなく、周りのみんな――特にセリカはこっちが申し訳なく感じるぐらい驚いていた。
 勝負の件がないとなると、どう考えてもこれはデートの誘いとしか考えられなかった。
 だって普通はそう考えるでしょ?
 しまいにはユーズが帰ったあとにアルアや理々奈に頑張ってだの励まされてしまった程だ。
 当然ながら見栄を張ってしまって、みんなの前では着ないような服を着てお洒落をして。
 それなのに、それなのに。

「……はぁ……」
「どないした? 具合でも悪いんかい」
「……違うわよ」
「……なんか泣いてるんか?」
「泣いてない!」
 そういう気遣いはするくせに、なんでそっちには気付かないのだろう。この分だと、セリカのアタックも全く気付いていないのかもしれない。なんだかセリカが可哀想に思えてきた。こんな男に惚れるなんて。
 私も人のこと、言えないのだけれども。
「ホンマ、ここの店のたれはうまいんや。見つけた時はええとこ見つけたって思ったねん」
 ずっと見てたけど、今日のユーズはやたら飲み食いしてると思う。もう既に四杯目いってるし。こっちはまだ二皿ぐらいしか食べてないのに。
「……どこ行くかぐらい教えてくれてもよかったじゃない」
「そないなことしたらつまらんやろ!」
 ぎゃははと親父くさい笑い方なんてしてる。酔ってきたか、ついに。
 もう、嫌になっちゃう。
「だったら別に私じゃなくて、士郎とかケイナとか誘えば良かったじゃないの」
「嫌や」
 嫌、と聞いて思わずきょとんとなってしまった。
 ユーズは食べ終わった串を振りながら、うんうんと一人で頷いて言った。
「アイツらに教えたら、一人で飲みにいけるとこが少なくなる」
「……」
 よく分からないけど、ユーズはみんなとあんなに仲良くしている割には時々一人でいる。
 そりゃ、誰だって一人になりたい時はあるだろうけど、ユーズの場合、なんか違う気がして。
 どうしてだか、分からないけど。
「じゃあ私ならいいわけ? それに、一人で飲みに行くつもりなら今日も一人で来れば良かったじゃない」
「誘いたかったや。ナイアを」
「……は?」
 素っ頓狂な声を上げた私なんか無視して、ぷはーっと親父臭い声をあげてユーズはビールを飲みきった。
「それ、って……どういう意味?」
「知らん」
「し、知らんって!?」
「ナイアのこと誘いたかったから誘っただけや。それだけじゃ、文句あるんかいな?」
「も、文句はないけど……」
 思わず目を逸らしてしまった。やだ、今、自分、絶対顔赤くなってる。
 もう一度ユーズを顔を見ようとちら見した。やっぱりお構いなしに焼き鳥を頬張ってる。
 やっぱり馬鹿にしてるんじゃないかと疑いたくなってきた。
「ならそれでええやないの。にゃあも食べてや。うまいもんがまずくなる」
 何よ、さっきからガツガツ食べてるくせに。
「……にゃあ」
「……何よ」
 完全に酔った時、何故かユーズは私のことをにゃあと呼ぶ。ただ単に呂律が回らなくなってるだけなのか、悪ノリしてるのか。
「……いや、何でもないねん」
「……」
 言いたいことあるなら言えばいいのに。何かあるなら、話してくれればいいのに。
 なのに、絶対に話さない。
 普段は誰となく気軽に話すくせに。お節介なぐらい人のことに首突っ込むことだってあるくせに。
「……何でもあらへん」
 ある程度まで近づくと突然距離を作る。
 理由は分からない。でもそういう時のユーズは、なんだかとても遠くにいる気がする。それも、誰にも手が届きそうにないぐらい遠くに。
「……生、ジョッキ大で」
「にゃあ?」
 すごく不器用だ。ユーズも、私も。
「遠慮、しなくていいんでしょ?」
「おう」
 だったら、付き合ってあげようじゃないの。
「お金、足らなくなっても文句なしよ」
「わかっとる。わかっとる」
「なんなら飲み比べる?」
「今からか!? そらきっついねん!!」
「あら、勝負に挑まずに逃げるわけ?」
「むっ……後悔しても知らないで!」
 今は、この時間を大事にしようと思う。
 今は、まだ打ち上げずにいおうと思う。
 そして、いつかユーズが今言えないことを打ち明けてくれる日がくるのであれば。

 その時は私も打ち明けようと思う。

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