Happy Going
見た作品紹介や日々思ったことなどをつづった超不定期ブログ。時々小話(短い小説)も。管理者はオタクです、多分。

 

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【弐寺】糸車【リリ→セム(セム鉄前提)】

書きかけあるじゃんっていうツッコミはなしの方向で。
勢いで書きたかったんだけなんだ!うわーん!
できればこれに繋がる話を書きたいな。長くなるだろうけど。

 くるくるくるくる。規則的に回る糸車。
 兄さんが何か作るために使っていたミシンの糸車をずっと眺めていたこともあったあの頃。
 その頃から比べれば私はもう大人になっていた。正確にはまだ大人ではないけれども、あの時よりも多くのものを、外部のことを見れるようになった。
 だから、だからなのだろう。内部がよく見えるようになったのは。
 兄さんをそういう感情の対象として見始めたのは高校に入ってから。例えそれがお客であろうと兄さんが誰か女性と話していると苛立ちを覚えた。そしてそれは兄さんが、私に誰か男性が言い寄ってくる度に怒るものと同じだと思っていた。
 誰にも邪魔されない。兄さんは私だけのもの。でもたまには妬いて欲しいからわざと別の男性が好きなように見せている。
 そう思っていたのに、意外なところからそれは切り崩された。

「こんにちは…」
「やぁ、鉄火君。いらっしゃい」

 鉄火。私と同じ学校に通う一つ上の男の先輩。
 私も兄さんも彼と出会ったきっかけはゲームセンターにある一つのゲーム。
 最初はただの先輩でゲーム仲間。それだけだったはずなのに。
 鉄火は何故か兄さんに惚れていた。本人は誰にもバレていないと思っているでしょうが、私だけじゃなくみんなにバレバレ。何故惚れたのか理由はいくらでも思いつくが、本当にどうしてだかは分からない。
 でも、もっと意外だったのは兄さんの方だった。
 兄さんが今まで一緒にいた私ですら見たことない笑顔をするようになった。私にでも他の女性にでもなく、鉄火に対して。
 そこで私は気付いてしまった。兄さんが私に対してムキになっているのは“取られたくない”という感情ではないことを。
 兄さんはまだ“私が兄さんがいないとやっていけない”と思っているのは百も承知。でもその裏に隠れたものを、推測ではあるが知ってしまった。
 “兄さんは私がいないと駄目”なのだ。
 自負ではない。幼い頃に両親を亡くし二人で生き抜いてきたという環境が、または私の生まれる前に兄さんが生きてきた環境が作ってしまった哀れな絆の糸。
 兄さんは私がいないと自分の存在を確立できないのだ。
 そんなにも大きく私が兄さんの中で占められているのは嬉しい。けれども、私が望んでいる愛され方はそんな愛され方じゃない。
 私は兄さんの支えになりたいわけじゃないの。一緒に並んで歩いていたいだけ。例え一人の女と見られなくても、対等の存在で在りたいの。
 あの笑顔を見ていると私は、鉄火が兄さんを“一人で歩ける”ようにしてくれるような、そんな気がした。
 もしそうしてくれるというのなら、私は喜んで二人を応援するだろう。

 ただ、私は意地悪だから。
 兄さんの心まで彼に譲ったりするつもりはない。

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